展覧会情報

秋山祐徳太子・吉野辰海
−ブリキ彫刻と投影装置− 展覧会
Yutokutaishi Akiyama & Yoshino Tatsumi
ーLastemperor&screw− EXHIBITION

2000年8/20(mon.)〜9/2(sat.)
11:00am〜19:00pm(最終日17:00pmまで)

投影装置の犬 1979-80 吉野辰海
PROJECTION DOG 1979-80 Yoshino Tatsumi
頭部、左眼部分の接眼部より投影世界を垣間見るが出来る

秋山祐徳太子・吉野辰海−ブリキ彫刻と投影装置−
展覧会によせて
 秋山祐徳氏のダンディなブリキの皇帝はそれ自体が屹立した男根を髣髴とさせるが、その洗練された身体は、歴史上の皇帝たちが本来もっているような権力という正(創造)と負(破壊)のエネルギーとは異なった、いわばアンチ・エネルギーに満たされている。それはエネルギーそのものの断絶であり、強度の無(−意味)、すなわち「エア・ポケット」の到来である。
 今回出品される70年代末から80年代初期の作品のなかで、吉野辰海氏は、<水>に関わるエロティシズムや、あるいは<釣り>が象徴する距離感と間接生を介在させて、無形の狂気と直接結びつく<水>に接近しようと試みる。だが一方では、それらイメージの回路を回避して、無形の狂気が<ねじれ>のモティーフを通じて過剰な力を画布に刻印しようとするのをみることもできる。          (美術評論家 相馬俊樹)

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